走ることで仲間とつながる! 新感覚スポーツイベント「ながと旅ラン」の魅力

 

2018年10月20日、長門市の俵山にて「ながと旅ラン2018 in俵山」が開催されました。「ながと旅ラン」は、“競わず・計測せず・コースなし”の“3K”をテーマに掲げた、ちょっと不思議なスポーツイベント。「“競わず・計測せず・コースなし”? じゃあ何するの? それって楽しいの? そもそもコースは“course”でしょ?」との疑問はごもっとも(笑)。実際にどんなことが行なわれているのか、インタビューを交えながら取材を行ないました!

取材/撮影:村尾悦郎

 

「ながと旅ラン」って?

ながと旅ラン」は、長門市・宇津賀地区担当の地域おこし協力隊の一ノ枝亮輔(通称いっちー)さんプロデュースによるランイベントです。幾度かのプレイベントを経て、今回「ながと旅ラン2018」として市内4箇所(俵山/宇津賀/長門〔深川・仙崎〕/三隅)で本開催されます。

 

午前9:30、受付開始

10月も下旬にさしかかった俵山の朝は少し肌寒いです。本日の受付会場は俵山温泉街にある「ゆうゆうの宿」。午前9:30の受付を前後して、温泉街では見慣れないスポーツウェアの人々が続々と集まってきました。受付を済ませた参加者にはスポーツドリンクのほかに、俵山温泉の入浴券と俵山銘菓「三猿まんじゅう」が配布されました。

 

▲配布された温泉入浴券

 

▲俵山に来たらおみやげで買って帰りたい「三猿まんじゅう」。できたてなのがうれしい

 

開始までの待機時間、参加者の方々は和やかに談笑されていました。

▲「今日はどこに行きますか?」「僕はここに行ってみようと思うよ」など、それぞれコミュニケーションが始まります

 

開始直前にいっちーさんによる挨拶が行なわれ、事前説明と安全に関するアナウンスが行なわれました。また、この日は俵山の地域おこし協力隊である中野さんも会場に駆けつけ、周辺のオススメスポットが紹介されました。

▲挨拶をするいっちーさん

 

▲俵山の地域おこし協力隊、“見習いハンター”の中野さん

 

▲受付会場では中野さんの主催する、ジビエ素材を利用したアクセサリーブランド「けものみちproject」の展示&販売も行なわれました

 

 

ゆる~くスタート

開始予定時刻の午前10:00になり、いよいよスタート! なのですが、“計測せず”ということで、ピストルなど分かりやすい合図はなし。一応記念写真をパシャリと撮影し、いっちーさんの「それではスタートで~す」の声でゆる~く始まりました。

 

▲みなさんで記念撮影

 

ある参加者は「一位ヶ岳に登ってきます!」とノシノシ出発。またある参加者は「能満寺に行ってみようかな」と、ぶら~っと走って行かれました。

▲ひとり山へ向かう、男の背中

 

また、ある方々はなんとな~くグループが形成され、「とりあえず、滝とか見に行こう」と、なんとな~く温泉街を走り出しました。

▲笑顔でスタートです

 

▲今回はこのグループの行方を少し追ってみました

 

▲「いってらっしゃ~い」とお見送りするいっちーさん

 

 

それぞれの行程

まずは五段の滝を眺めた後、沢のそばにある山道を登って麻羅観音へ。長門在住の参加者も「こんな道でつながってるんだね~」と驚いた様子。

 

▲山道を登る参加者グループ

 

▲麻羅観音へお参りする一行

 

 

 

寄り道を楽しむ

続いて一行はハンター中野さんオススメの下安田公会堂近くの竹林へ。外の世界と隔絶された幻想的な雰囲気に、皆さんしばらく見入られていました。

 

▲下安田にある癒しの竹林

 

▲竹林をバックに撮影会が始まる場面もありました

 

▲思い思いのポーズで記念撮影。皆さんに笑顔が浮かびます

 

▲ひとしきりスポットを楽しまれた皆さんは「じゃあ次はどこへいこうか~」と楽しくおしゃべりしながら、道の向こうへ走って行かれました

 

 

参加者に話を聞いてみる

こうして実際に参加者さんの様子を見てみると、“競わず・計測せず・コースなし”を皆さん見事に楽しまれているようです。以前も何度か「旅ラン」に参加されている、市内在住のMさんにお話しを聞いてみました。

 

―この「旅ラン」の魅力ってどんなところだと思いますか?

Mさん:まず、自分のペースで、行きたいところに行けるところですね。計測もないから急がなくてもいいし、何だったら歩いたっていい。それに、新たなラン仲間との出会いもあるんですよ。その場で仲良くなった人とも、おしゃべりしながらゆったり走れるから、そこも魅力だと思います。

▲話し合いながら、次の目的地を決めて走る

 

―“3K”が他の参加者とのコミュニケーションを取る余裕を生み出してくれるんですね

Mさん:そうなんです。あと、見慣れた自分のまちを走るんだけど、それでも「こんなところがあるんだ!」って毎回発見があるんですよ。「こんな道があったんだ~。ああ、この道であそことつながってるんだ~」って。そういった“まちの再発見”もすごく楽しいんですよね。

▲山道を超えて麻羅観音の正面へ出たMさん(右)。「ここにつながってたんだ~!」と嬉しそう

 

仲間と一緒に楽しく走り、そこから新たな仲間を作る。また、地域を自分の足で見て回ることで新たな魅力を発見する。Mさんはそんな楽しみを感じているようです。

 

 

走る楽しみを感じる“選択肢”として「旅ラン」があって欲しい

今度は、主催者側の視点から、いっちーさんに「ながと旅ラン」にかける思いを聞いてみました。

 

―実際に開催されている様子を見て、ランナーさんたちがコミュニケーションを密にとられている姿が印象的でした。

いっちー:コミュニケーションの度合はもちろん人にもよるんですけど、やっぱりタイム計測や順位がつく、いわゆる競技大会とは雰囲気が違いますね。どうしても競技大会って初めて会う人と喋ってみたりとかそういう感じじゃないので。

 

―“走るイベント”って、まずそっちを想像するので「旅ラン」はすごく異色な感じがします。

いっちー:そうかもしれないですね。「旅ラン」のようなイベントってほかに「マラニック(マラソン+ピクニック)」とかって呼んだりするんですけど、実際に参加してみると、競技大会と違って“初めての人同士でも楽しく”っていう要素があるなと感じて。初対面の人とでも“走る”っていう共通の話題で会話が生まれるし、楽しいんですよね。

 

―その“走ることを通じたコミュニケーション”が「旅ラン」の一番の目的なのでしょうか?

いっちー:一番かどうかかはわからないけど、大事な要素だと思います。仲間を作ったり、楽しいイベントの雰囲気をつくるためのコミュニケーションはあったらいいなと思うんですよね。僕自身、そこまでガンガンにコミュニケーション取るタイプじゃないんですけど(笑)。「旅ラン」くらいの規模で参加者同士の距離感が近いと、必然的に会話が生まれるのかなと思います。

 

―そういったことで競技大会との差別化を図っているんですね。

いっちー:差別化というほどではないんですが、ガッツリとした競技大会もあっていいし、こういったコミュニケーションも取れるイベントもあっていいんじゃないかなと思うんです。そういったタイム以外の“走ることの楽しさ”も伝えられたらと思っています。

 

―このイベントは特にどんな人におすすめしたいですか? 私は普段全く走らないタイプですがどうでしょう?

いっちー:うーん…普段全く走らない人が一人で参加するにはちょっとハードル高いかもしれない…(笑)。コース設定を自分でしないといけないから、感じがつかめないかもしれないですね。でも、走り慣れている人とペース合わせながらやると楽しいと思いますよ。

 

―なるほど。

いっちー:そういう意味では、どちらかというと日常的に走るランナー向きかもしれないですね。健康のために家の周りを走る人とか、たまに大会にも出る人とか、そういった方々に走る楽しみを感じる“選択肢”として、このイベントはあってほしいと思ってます。

 

―そういった思いが“競わず・計測せず・コースなし”の“3K”につながっているのですね?

いっちー:そうですね。このイベントで競技大会に出てみようと思うかもしれないし、新たなランニングコースの発見につながるかもしれない。そういった何かのきっかけにもなったらいいなって思います。

 

―ちなみに、“3K”の“コース”は“course”なのでは…

いっちー:そこは…まあ、そうですね(笑)。でも、“3K”という言葉で皆さんに覚えて欲しかったんですよね。ローマ字にするとKでいけますよ(笑)。

 

―わかりました(笑)。では最後に、「旅ラン」の今後のどのように展開していくのでしょうか? 展望を聞かせてください。

いっちー:これからも市内のいろんな場所で開催したいと思うし、今後は季節に絡めた要素も加えていきたいと思っています。“走ること”ともうひとつ、“プラスアルファ”の要素をコラボさせることで、“走る楽しさ”を発信していきたいですね。

 

おわりに

「“競わず・計測せず・コースなし”? じゃあ何するの?」という疑問に対する答えは、まさに「人それぞれ」でした。“走る”ことを中心に、それぞれが楽しみを見出し、思い思いの時間を過ごす。このことが魅力的な出会いや体験の入り口になっていると、今回のイベントで感じることができました。

 

「ながと旅ラン」が今後どのように進化し、“走ることの魅力”をどんな形で伝えていくのか、楽しみです。

 

ながと旅ラン公式ページ