「気持ちよく、幸せに過ごしたい」NaNaya farmのおはなし(後編)

山口県長門市の向津具でカフェ「NaNaya Farm」を営む芦田さん夫妻へのインタビュー。後編はカナダから長門への移住の様子と、お店への思いについて語っていただいています。二人が思い描く理想の生活やお店の今後の展開とは? ぜひ最後までご覧ください!(前編はこちら

取材/撮影:村尾悦郎

 

日本、そして長門へ

▲足元に日本海が広がる芦田家の畑。この景色が気に入り、物件を決めたのだとか

 

―芦田さんは長門には縁があったんでしょうか?

健介さん
健介さん

いえ、特に親戚とかそういったものはいませんでした

 

―どのようにして芦田さんは長門に移住してきたのですか?

健介さん
健介さん

まず、日本に帰って「どこに住もうかな~?」って、家族みんなで車に乗って日本中回ったんです

 

―日本中ですか!?

健介さん
健介さん

はい、4ヶ月ぐらいかけてね。ウィスラーでの暮らしの中で日本の友達もたくさんできていたから、その方々にも会いに行ったんですよ。「最近どう?」って会って、ついでに街の様子を見ながら(笑)

 

―友達づたいに日本中を回って、住みたい街を探していたんですね

健介さん
健介さん

はい、そんな感じです。時には河原とか山の中にテントを張って、野宿みたいな感じを楽しんだりもして(笑)

 

 

―その中で長門にもいらしたんですね

健介さん
健介さん

はい、長門の友達の家にしばらく滞在させてもらって、住んでるうちに本当にここが好きになってきたんです。それで家を探しはじめたら、地元の方の協力もあり、気に入った場所を見つけることができたんですよ

 

―移住先を長門にした決め手はなんでしょうか?

健介さん
健介さん

決め手といわれると難しいですが、あえて言うならば「環境」と「人」ですね。「環境」は家の周りの雰囲気や見える景色がすごく気に入りました

 

―では、「人」とはどういうことでしょうか?

健介さん
健介さん

家を探していたころ、地域のお手伝いや行事にも参加させてもらっていたんですけど、その中でいろんな人に出会って。その人たちが暖かくてとてもいい印象を受けたんですよね

 

祐子さん
祐子さん

みんなすごく私たちのことを心配して、協力してくれたんですよ

 

 

健介さん
健介さん

そう。当時、家を探していて、相談したりしていたんだけど、地元のいろんな人が親身になって心配して、あちこち探してくれて。さらに、その時は収入がなかったんだけど、農家さんなどたくさんの方がお仕事の手伝いで声をかけてくれて、本当に助かりました

 

―そんなことがあったんですね

健介さん
健介さん

あと、先輩移住者の方々の存在も大きいですね。同じ世代の、子育て家族が多くて、同じように移住をして頑張っているのが心強かったです。みなさんともすごく気が合って、助け合いながら「なんでも楽しんでいこう!」っていう雰囲気があって、楽しいですね

 

お店と暮らしへの思い

 

 

―移住の際に、「カフェをしたい」という思いは当初からあったんでしょうか?

健介さん
健介さん

ありましたね。農を中心に自給自足的な暮らしをしながら、育てたものを使って「農家カフェ」をしたいと思っていました

 

―お店のメニューにはどんなこだわりがあるんでしょうか?

健介さん
健介さん

自分たちが育てた無農薬の作物を中心にしつつ、地域の農家さんのものも交えて、とにかく「安全でとれたてのもの」を出すようにしています。調味料も化学調味料が入っていないものを使って、今はカレーと麺類を中心に出しています

 

▲ある日のメニューその1:「おいもとカリフラワー(アルゴビ)カレー 畑サラダつき」。芦田さんの畑でとれた野菜と地元の棚田米が使われている。スパイスの配合はオリジナルで、野菜のおいしさを堪能できる

 

▲ある日のメニューその2:「有機玄米麺のムカツクフォー 畑サラダつき」。こちらも野菜がふんだんに使われたフォー。この日はチャンポン風の味付けで提供されていた

 

▲ある日のスイーツ:「フルーツケーキ(左)」、「バナナチョコマフィン(右)」。こちらは祐子さんの手作りで、おみやげとしても人気があるのだとか

 

―メニューはお二人で考えられているんですか?

健介さん
健介さん

そうそう。毎回「今日なにしようかね?」って言いながら(笑)

 

―その日ごとに決めるんですか?

健介さん
健介さん

だいたいはそうですね(笑) その時、畑から取れるもので、前日から何となくイメージを沸かせながら、二人で話合って決めます

 

祐子さん
祐子さん

例えば「今日は畑でナスがとれたからカレーに入れて」とか、そんな感じですね

▲収穫の様子。この日はサツマイモがとれた

 

―確かに、食べてみて野菜の味をはっきりと感じました

祐子さん
祐子さん

分かってもらえましたか?(笑) 「本当に『食べて安心なもの』を食べて欲しい」という思いで作っていますよ

 

―子育て環境として、長門はどうですか?

祐子さん
祐子さん

とてもいいと思います。海も近くて、子どもたちが思いっきり遊べてるので

 

健介さん
健介さん

人が少ない分、周りを気にしないでいいっていうのも良いところだと思いますね。歌おうが騒ごうが、思いっきりのびのびさせてあげられるし

 

祐子さん
祐子さん

それに、自分が作った作物を子どもたちに食べさせてあげられるのも嬉しいですね

 

―こちらに来て、家族の変化は感じますか?

健介さん
健介さん

そんなに変わってないかな?(笑) でも、祐ちゃんとやりたかった畑ができて、ひとつ夢が叶ったことが嬉しいです。僕自身は、ここでサーフィンをはじめられたことが大きいかな。ずっとスノーボードをやってきてたから、板に乗っていたいんですよ(笑) 自然の中で思いっきり体を動かす遊びがここでもできているので、充実しています。

 

 

―この先、お店をどんなふうにしていきたいですか?

祐子さん
祐子さん

まず、私たちがこれまで出会った「おいしい料理」を徐々にメニューに加えていきたいですね。今はまだ種類が少ないですから(笑)

 

健介さん
健介さん

そう。「おすすめは?」って聞かれたら、「全部です」って言うしかない(笑)

 

祐子さん
祐子さん

それから、食事をしながら情報交換ができるコミュニティの場所になったらいいなって思っています。この海を見ながら、お互いの情報や良いところを交換し合って、みんなで良い方向に向かえたら嬉しいですね。

 

―では、ここからさらにお店が変わっていくんですね

祐子さん
祐子さん

はい。どんどんやりたいことも増えて、変わってもいくだろうから……「どのようにしていきたいか?」と聞かれたら、「やりたいことをすべてやっていきたい」という答えになりますね(笑)

 

 

健介さん
健介さん

僕はまず、「このお店をより良い形にしていきたい」っていうのと、家族みんなが「気持ちよく、幸せに過ごしていく」っていう思いをこれからも大事にしていきたいですね。そして、このお店の料理の魅力だけじゃなくて、僕たちのライフスタイルもお店を通じて伝えていきたいなとも思ってます

 

 

 

Information

■NaNaya Farm

・住所:山口県長門市油谷向津具上3994−3
・営業日:毎週木~日曜日
・営業時間:10:00~16:00

NaNaya Farm公式サイト