旅の楽しい思い出を作りたい! 青海島観光汽船・岡村さんのおはなし(前編)

山口県長門市・青海島(おおみじま)、この島の北側には、「海上アルプス」と呼ばれる日本海の荒波が作り出した絶景が広がります。そんな海上アルプスを船に乗って間近で体験できる「青海島観光汽船」は、長門観光の目玉の一つとして知られています。今回、ながととはそんな青海島観光汽船の船長の一人である岡村さんへインタビュー。小さな頃から憧れていた「海の仕事」を叶え、元気一杯に働く彼女の仕事にかける思いを聞かせてもらいました。

取材/撮影:村尾悦郎

 

岡村さんが船長になるまで

青海島観光汽船、船長の岡村有菜さん

▲青海島観光汽船、船長の岡村有菜さん

―ご出身は長門ですか?

岡村さん
岡村さん

はい。日置の漁師町の黄波戸で育って、高校は水高(※)に行きました。

※山口県立水産高等学校のこと。現在の山口県立大津緑洋高校・水産校舎

 

―水高出身なんですね。では、青海島観光汽船には高校卒業後に入社されたんでしょうか?

岡村さん
岡村さん

いえ、3年で卒業した後、そのまま水高の専攻科でもう2年勉強して。その後、大阪の船関係の会社に就職しています。

 

―大阪で就職されていたんですか?

岡村さん
岡村さん

はい。そこでは3年ほど働いて、長門に帰ってきたんです。

 

―ではUターンになるんですね

岡村さん
岡村さん

そうですね。

 

―「船に乗りたい」という気持ちは子供の頃からあったんでしょうか?

岡村さん
岡村さん

元々「船に乗りたい」というよりは「海に関わる仕事がしたい」と思っていたんですよ。実は、すぐに船酔いするのでむしろ「船」は苦手でした。高校の航海実習でもよく船酔いして(笑)

 

―そんな岡村さんが、こうして船の仕事に就かれたのはなぜですか?

岡村さん
岡村さん

中学生の頃に関門海峡を渡る船に乗って、その船の船長さんが女性だったんです。それを見て「かっこいいな。こういうこともできるんだな」って思ったのがきっかけですね。「遠洋じゃなくても毎日帰れる船乗りになりたい」と思いながら水高に入りました。

 

―水高は女の子が少ないイメージがありますが、高校生活はどうでしたか?

岡村さん
岡村さん

同学年は私一人が女の子でしたね(笑) でも、授業で釣り、水上バイク、スキューバとか体験できて本当に楽しかったですよ。部活もボート部に入って全国大会に行けたし。

 

―そして、大阪の会社に就職されたんですね

岡村さん
岡村さん

はい、最初は山口で就職先を探していたんですよ。でも、当時の県内は東日本大震災の影響もあり、就職口がなかなか見つからなくて。探す範囲を広げて、たまたま大阪の会社に決まったんです。

 

―大阪の生活はどうでしたか?

岡村さん
岡村さん

うーん……結局、慣れませんでした(笑)

 

―大阪の環境にですか?

岡村さん
岡村さん

はい。水高での生活は男の子ばかりだったのが、逆に就職した会社は女性ばかりの職場で。環境の変化がものすごく激しかったんですよ。

 

―「男性ばかり」から「女性ばかり」ですか。確かに戸惑いそうですね

岡村さん
岡村さん

はい、人間関係は良かったんですけど、「なんか違うな」っていう思いはあって。……でも、なにより一番大きいのは魚ですね。

 

―魚ですか?

岡村さん
岡村さん

はい、魚を食べるのが好きなので、なかなかおいしい魚にありつけないのがつらかったんですよ。山口の魚を探して買ったりするんですけど、あったとしても高かったりして、「しんどいな~」って(笑)

 

 

―そうだったんですね。元々都会への憧れはなかったんでしょうか?

岡村さん
岡村さん

ありましたよ。道に信号機がほとんどないような環境で育ったから、「徒歩圏内にコンビニがある」っていう生活にも憧れましたし(笑)

 

―それでも長門に戻ってこられたんですか?

岡村さん
岡村さん

はい、朝早くから夜遅くまで働くのと、おいしい魚がなかなか食べられないので(笑) それで「帰りたいな」って思っていて、帰省した時に水高の先生に相談したら、この会社を紹介してもらって。

 

―観光汽船に入られたのはいつからですか?

岡村さん
岡村さん

2014年から入社して、研修を受けて、船長になりました。

 

青海島観光汽船へ

―青海島観光汽船には船がたくさんありますよね

岡村さん
岡村さん

はい、現在、青海島観光汽船には小型の “イルカ船” が7隻と、中型の “クジラ船” が2隻、全9隻があります。

青海島観光汽船に所属するイルカ船たち

▲青海島観光汽船に所属するイルカ船たち

 

クジラ船の「シータス」。クジラ船には “潮吹き” 機能も備わっている

▲クジラ船の「シータス」。クジラ船には “潮吹き” 機能も備わっている

 

―岡村さんが “乗りやすい船” ってあるんでしょうか?

岡村さん
岡村さん

“乗りやすい” と言うか、船長一人一人に担当の船が決まってるんですよ。私はピンクのイルカ船、「れいんぼう」に乗っています。

 

岡村さんが担当するイルカ船「れいんぼう」

▲岡村さんが担当するイルカ船「れいんぼう」

 

―“担当の船” が決まっているんですね。

岡村さん
岡村さん

はい。クジラ船は船長と甲板員の2人態勢なんですが、イルカ船は基本的に一人でやっています。それで、各船長が順番に乗っていくんですよ。

 

―イルカ船とクジラ船は、出る便が決まっているのですか?

岡村さん
岡村さん

いえ、その時のチケット状況で決まります。定員29人ぐらいまではイルカ船で、それ以上はクジラ船を出すんです。

 

―なるほど、船の種類ごとの特徴はありますか

岡村さん
岡村さん

イルカ船は小型なので、波の状況によってコース内にある洞窟をくぐったりすることができます。クジラ船は大きいので洞窟はくぐれませんが、ゆったり乗れたり、デッキに出たりできるのがいいところですね。

 

―船長さんの一日ってどんな流れですか?

岡村さん
岡村さん

早朝に点呼をして、それから朝の第1便までに船の暖機や掃除を済ませておきます。そこからは交代で船に乗って、合間に掃除や整備をしたりっていう感じです。

 

 

―忙しそうですね

岡村さん
岡村さん

6~9月の観光シーズンになると本当に忙しいですね。運転がない日も窓を磨いたり、いろいろやることはあるんですよ。

 

―天候で欠航になったりすることもあるんでしょうか?

岡村さん
岡村さん

天候次第で、コースが変わることもあるんですが、台風が来ない限り欠航はほとんどありません。

※青海島観光汽船のコースはこちら

 

●後編はこちら

 

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