青海島共和国と、 “国王” 濱野さんの魅力に迫るインタビュー。後編となる今回は、いよいよ青海島共和国の活動について具体的に聞きました。今や名物となった「魚さばき体験」や人気商品「国王の塩辛」の開発秘話に加え、共和国の将来像についても濱野さんに語っていただきました。「島が好き、人が好き、仕事が好き」と語る国王の思いを、ぜひ最後までご覧ください(前編はこちら)!
取材/撮影:村尾悦郎
名物その1、「国王の魚さばき体験」
―元々の「青海島発展促進協議会」からの流れで、地域の課題を解決するために「共和国」もあるんでしょうか?

そうですね。そういった活動を引き続きやりながら、商品開発、修学旅行生を受け入れて体験学習なんかもしています。
―国王自ら始動する「魚さばき体験」をはじめ、色々なプログラムがありますよね。

そう。「魚さばき体験」だけでは、多人数をいっぺんにやれんから、青海島の各地区で魚釣りやトラクターでの農場整備、餅つきなどいろんなことを3地区に分散させてます。
―以前、私も修学旅行の受け入れ風景を撮影させていただいたのですが、はじめは子供たちも戸惑っていながら、だんだんと地域のみなさんと打ち解けていく姿が印象的でした。

それそれ(笑)。あれはね、旅行会社の人を呼んで、「ケンサキイカのさばき方体験」をしてもらったのがはじまりなんです。体験してくれた人たちがみんな「これはおもしろい!」と言ってくれて。そこから発展して、今日のいろんな体験があるんですよ。
―「魚さばき体験」は国王の発案ですか?

僕と、当時の市の観光課におった職員と考えてね。「やってみようやないか」って、やってみたら……できたの(笑)
―なんでも、「魚さばき体験」がある時はその日の未明ごろから準備されているとか。

そう。さばいた魚だけじゃなくて、いろんな食べ物を食べて欲しいからね。もうちょっと若い時は前の日の11時ごろから共和国に来て、ずっと準備をしてましたよ。

▲「魚さばき体験」の後の食事風景。さばいた魚だけでなく、地元の食材をふんだんに使った料理もたくさん振舞われる
―ええ!? 一睡もせずに?

いや、朝方にひと段落したらちょっとは寝ますよ。小さい缶ビール一本飲んで椅子で寝るそいね(笑)
―本当に大仕事ですね。

そうね。もう体力的にそんなことは無理やけどね。それでも体験がある日は夜中の2時か3時ぐらいから準備していますよ。
―本番も大変なのに……。

そうやけどね(笑)。なんでかね? 僕もよう分からんけど、性に合うちょるんでしょうね。
―子供さんたちと一緒にやることが楽しい?

うん。元気もらうからね。同級会に行っても、「あんたぁ若いね!」ってよう言われるいね(笑)。それはやっぱり若い人との交流があるからやろうと思うんです。
―ご自分のお仕事もありつつ、ずっとそういうことをやられてて、それはやっぱり楽しいからですか?

辛い時もあるけどね。やっぱりやり終えたら楽しいね。