“島が好き、人が好き、仕事が好き” 国王が語る、青海島共和国の建国物語 ~前編~

大泊自治会での取り組み

 

―145の要望に対して、具体的にはどんなことをやられたんですか?

濱野国王
濱野国王

暗い道に街灯を立てたり、みんなが通る私道を生コンを買うてきて自分たちで整備したりね。

 

―地域のみなさん自ら道の整備もされたんですか?

濱野国王
濱野国王

そう。ずいぶんとみんなでやったんですよ(笑)。市にお願いしてやってもらった道もあったり、県道なんかは県庁に陳情書を出したりしましたけどね。自治会長は7年やったんですけど、145あった要望の、およそ七割ぐらいは解決できたかな。

 

―一つずつ地道にやられたんですね

濱野国王
濱野国王

はい。そのうち、そういった活動が市役所の助役(現在の役職でいうと副市長)の耳に入ってね。「濱野さん、市役所の幹部職員を集めるから、あんたの自治会でやっちょることを話してくれんか?」って言われて。

 

―講演会の依頼ですか?

濱野国王
濱野国王

うん、でも大学の先生がするような「こうあるべきだ」なんて話はできないから、「自分のやったことを報告するだけならええですよ」って言うてね(笑)。それで話に行きました。

 

―それがいつ頃の話ですか?

濱野国王
濱野国王

昭和52年ごろやったと思います。へてその後にね、どういうわけかそれが県庁にも話が届いてね。県庁へもさいさい(何度も)話に行かんにゃいけんようになって(笑)。

 

―どんどん広がっていったんですね

濱野国王
濱野国王

そう。県庁で話したら「今度はウチへ来てくれ」って、県内のいろんな市町村にも呼ばれてね。講師料もいくらかもらえたから「酒の商売よりええかもしれんぞ」って思うたほいね(笑)

 

―そんなに活躍されたんですね。

濱野国王
濱野国王

そう。聞いてくれた人が「あんたの話はおもしろいね」って言ってくれたり。みんな偉い先生のお話とかには飽きてるから(笑)

 

―そんな自治会の取り組みで、印象に残っているのはなんですか?

濱野国王
濱野国王

昭和55年から、住民からの要望が多かった新しい集会所の建設にも取り掛かったことですね。大仕事やったんです。今やったら1億円ぐらいかかるものをいろんな補助金を申請して作ったんです。

 

▲大泊地区の集会所

 

―すべて補助金で建てられたんですか?

濱野国王
濱野国王

もちろん補助金ももらいましたけど、それだけじゃ足らんかったからね。地域の共有林の材木を売却したり、それでも足りんところは地域のみんなで20年かけて払ったりしました。

 

―20年ですか!?

濱野国王
濱野国王

そう。総会でお願いしてね。一軒につき毎月700円ずつ。20年は長かったけどね、ちゃんと終わりましたよ。みんながよう協力してくれたと今でも思います。

 

―そういったことを自治会の自主的な活動としてやっていたわけですか?

濱野国王
濱野国王

はい。当時は本業でお酒も作っていましたから、忙しかったですよ(笑)

 

―地域の方々も、国王の行動力に影響されたんでしょうか?

濱野国王
濱野国王

一つできるとね、みんな一所懸命になるんですよ。コタツの中でみかんを食べながら話よったらね、そこの家のお母さんが「道の街灯がないから暗くなって帰る娘が心配だ」と言ってきて。

 

―そういった何気ない会話からの要望もあったんですね。

濱野国王
濱野国王

うん。「すぐやろう!」と言って取り掛かる。それが早くできたらね、喜ぶんですよ。「ホントにできた!」って。そうすると自然に周りのみんなも盛り上がってくるんです。

 

―そうした成功体験が、大きな事業につながるんですね。

濱野国王
濱野国王

そう、そうしてついに集会場が建ったからね。「できる」って思うようになるのが力になるんよ。

 

 

―お話からでも、当時の熱気が感じられますね。

濱野国王
濱野国王

いろいろできたから、やりがいはあったいね。

 

―そういった自治会での活動が「青海島発展促進協議会」、そして共和国の土壌になったんでしょうか?

濱野国王
濱野国王

そうですね。「青海島発展促進協議会」は、自治会長をやっている時に、「大泊、青海、大日比をまたいだ林道を作りたい」という要望が出ていたのがきっかけなんです。

 

―大泊だけでは決められない要望が出てきたんですね。

濱野国王
濱野国王

はい、その時から「3地区を網羅して、何かを作る組織をこしらえたい」と思うようになって。その後に3地区の役員が集まって「青海島発展促進協議会」っちゅうのを作ったの。

 

―「青海島発展促進協議会」が発足したのはいつですか?

濱野国王
濱野国王

自治会長の任期が終わって、昭和57年中には立ち上げたかな。

 

―任期が終わってすぐにその活動をはじめたわけですね。

濱野国王
濱野国王

そうです。今も毎年、高山で初日の出登山をやっちょるけど、それも青海や大日比のみんなで草刈りやら整備やらやってますからね。そういうことをずっとやってるんですよ(笑)。

 

 

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