“工夫しつつ、喜び生活する” Coffee&Roaster Yamaのおはなし ~後編~

山口県長門市 俵山のコーヒーショップ「Coffee&Roaster Yama」のオーナー・小坂さんへのインタビュー。後編は、小坂さん自身に、ぐっと焦点をあてた内容をお届けします。「どこで、どんな風に生きていくか?」という自身への問いかけや、家族、お店、仕事、支えてくれる人たち。小坂さんが大切にする、さまざまなものへの思いを聞かせてもらいました。ぜひ、最後までご覧ください(前編はこちらをご覧ください)。

取材/撮影:村尾悦郎

「Yama」の由来

―「Yama」という屋号の由来はなんですか?

小坂さん
小坂さん

実は、はっきりと「これです!」っていう由来はなくて。お店のロケーションが山っていうのがひとつと、息子が一番はじめに覚えた漢字っていうのがひとつ。あとは「人生山あり谷あり」の山かな(笑)。

 

▲お店のロゴ

 

―現在、お店をはじめて3年目ですが、開業当初と比べて変化は感じられますか?

小坂さん
小坂さん

お店をはじめた当時は、メディアに取り上げられたのを見てきた人が多かったし、ユーカリとタイヨウがきっかけで来てくれる人も多かったですね。でも今は、イベントに出店したときに飲んでくれた人が「おいしかったから来ました」って、わざわざ県外から来てくれたり。

 

―純粋にYamaのコーヒーが好きで飲みに来ている方が増えている?

小坂さん
小坂さん

そう、センザキッチン(道の駅)やAコープ(市内のスーパー)で豆を買ってくれて、「実際に店でぜひ一度飲んでみたかったの」って来てくれる人が来てくれたりね。それが嬉しいです。

 

―着実にファンが増えてきているわけですね。逆に大変だと感じることはありますか?

小坂さん
小坂さん

俵山でお店やってると、集客が天候にすごく左右されるんですよ。雨だったり雪だったり、土砂崩れが起きて通行止めになったり(笑)

 

▲開店中のYamaの様子。11:00~15:00の営業時間中に多くの人が訪れる

 

―確かにそうかもしれませんね。

小坂さん
小坂さん

だけど、お店がオープンしてから売り上げがゼロだったことは一度もなくて。これが本当にありがたいと思います。

 

―それはすごいですね。

小坂さん
小坂さん

俵山の人が雪の日でも豆を買いにきてくれたりとかね(笑)。そうして暖かく見守ってくれる地元の人にも本当に感謝しています。付き合いだけじゃなくて、僕のコーヒーを純粋に楽しみにしてくれている人がいるから。

 

―これまでを振り返って、一番大変だったと感じるのはどの時期ですか?

小坂さん
小坂さん

やっぱりオープンの前後かな。まず「味を作り上げる」っていうのが一番大変でした。今はおかげさまで注文が増えてきて、すごく忙しいけれども、精神的なしんどさっていうのはあんまり感じないですね。

 

―「研究」の時期(前編参照)が一番大変だったと。

小坂さん
小坂さん

小坂:うん。「オープンまでに自分が納得できるコーヒーを作り上げなくてはいけない」というプレッシャーがしんどかったですね……でも、「仕事やめて移住を決断した時」に比べたら……大したことないっすね(笑)

 

 

どこで、どんな風に生きていくか?

―小坂さんは長門に移住されるまでは、ずっと静岡に住まわれていたんですか?

小坂さん
小坂さん

静岡が地元なんですけど、東京で暮らしていた時期があります。高校出て、洋服の専門学校行って、とあるアパレル企業に入社して。

 

―公務員の前は会社員だったんですね。

小坂さん
小坂さん

うん、営業をやってましたよ。それで頑張って働いてたんだけど、無理がたたって体壊しちゃってね。静岡に帰りました。

 

―東京にいたのは何年ほどですか?

小坂さん
小坂さん

3年ぐらいですね。それから知り合いに「少年自然の家の臨時職員にならないか?」って声をかけてもらって働きはじめて。子供の時にボーイスカウトをやってたんだけど、その経験を買われたんです。

 

―なるほど、そこから正職員になったんですね。

小坂さん
小坂さん

はい、働きながら勉強して、公務員試験を受けて合格して、そのまま5~6年少年自然の家で勤務しました。その後、本庁に異動になり地方公務員として働いていました。

 

―経験されたお仕事の幅が広いですね!

小坂さん
小坂さん

そう、全部やってるんです(笑)。民間から公務員、そして今は個人事業主とね。コーヒーのお店は、公務員を定年で退職してからやろうと思ってたんだけど、今になって思えば、その歳になってはじめても体力的にきつかったと思います。

 

―「定年後ではなく若いうちに」と思うようになった出来事はあるんでしょうか?

小坂さん
小坂さん

僕の周りでも、定年後に割と早く体調を崩された方が多くて。それを見てたら「本当にやりたい事があるなら体力や気力のあるうちに!」って思ったんですよ。

 

―そこから「お店を開きたい」と強く思うようになったんですね。

小坂さん
小坂さん

うん。移住を意識しはじめて、「自分はどこで、どんな風に生きていくか?」っていう思いが強くなって。30代後半でそれがすごくリアルに感じてね。

 

―そこから「自分のやりたいことをやる」と決断し、移住されたんですね。

小坂さん
小坂さん

そう、最後に決めるのは自分自身なので、精神的にしんどい時もあるし、腰も痛くなるし、ホント大変。まあ、俵山温泉が癒してくれるから最高なんだけどね(笑)