日本酒「純米大吟醸 むかつく」の仕込み現場に潜入!

▲左から、津田祐介さん(元長門市地域おこし協力隊)と三好隆太郎さん(阿武の鶴酒造合資会社)

長門市油谷・向津具(むかつく)のお米を使った日本酒「純米大吟醸 むかつく」をご存知でしょうか? こちらは長門市の元地域おこし協力隊、津田祐介さんがプロデュースしているお酒で、独特の甘さを持つ個性的な日本酒として注目を集めています。今回、ながとと編集部はそんな「むかつく」が造られている阿武町「阿武の鶴酒造」さんを訪問し、仕込み作業の様子を取材させていただきました。普段見る機会が少ない、お酒づくりの現場の様子は必見です!

取材/撮影:村尾悦郎

 

「純米大吟醸 むかつく」とは

▲今年で3度目の製造を迎える「むかつく」※写真は2018年製造のもの

「むかつく」は津田さんと「阿武の鶴酒造」の造り手である三好隆太郎さんの2人が協力して造っているお酒(お2人は高校時代からの付き合いだそうです)。2017年の発売以来、毎年製造が行なわれ、市内だけでなく市外からも多くの日本酒ファンが買い求める “ながとの名産品” のひとつとして定着しつつあります。向津具の棚田で作られた「ヒノヒカリ」が原料に使われ、甘くフルーティーな味わいが特徴です。

 

「むかつく」仕込みの様子

こちらが阿武の鶴酒造さんの酒蔵。昔ながらの造りの大きな蔵です。中に入ると、まるで甘酒のような甘い匂いがふんわりとたちこめてきます。

 

奥の冷蔵室で、この日の作業が行なわれています。

お酒の仕込みは「酒母(しゅぼ)」と呼ばれるお酒の素に蒸米、麹、水を加えて発酵させる作業です。「阿武の鶴酒造」はこの仕込みを4日に分けて行なう「3段仕込み」という方法をとっており、それぞれの作業日を「添(そえ)」→「踊り(おどり)」→「仲(なか)」→「留(とめ)」と呼んでいます。

■仕込みのスケジュール

タンクに入れる素材は、「添」→「仲」→「留」と段階が進むにつれて増えていくので、日数を重ねていくにつれ、どんどん作業が苛酷になっていくのです。

▲仕込みの段階とお米の量を記した表を紹介しながら、作業を説明してくれる三好さん

 

取材日は3日間の中でも「仲」と呼ばれる日で、タンクに蒸米、麹、水を入れる作業と、次の日の「留」作業に向けたお米の準備が行なわれます。まずは、朝に蒸したお米を手でもみながら冷ましていきます。

▲ひんやりとした冷蔵室の中で作業は進んでいく

 

お米を冷やす温度と時間によってお酒の味も変化し、その組み合わせも各酒蔵によって違うのだとか。

▲蒸しあがったお米を見つめる津田さん

 

お米の冷却と同時進行で、タンクに水をどんどん入れていきます。

 

ちなみに、作業に使われているお水(仕込み水)は、阿武の鶴酒造の仕込み水で、敷地内にある井戸水が使われています。

 

一通り材料を入れた後、タンクの中に櫂(かい)を入れ、中身をかき混ぜます。

 

この仕込みが終わった後、タンクの中身は「もろみ」と呼ばれる状態になり、約1ヵ月間、毎日朝夕2回ほどかき混ぜながら発酵させていくそうです。

 

「留」への準備

「仲」の作業が一段落したら、次の日に行なわれる「留」への準備がスタート。お米を蒸す用意をしていきます。まずはお米を洗います。

 

なお、この作業でも大量の仕込み水を使います。

 

次に、米を水に漬けて吸水させます。この工程を「浸漬(しんせき)」と呼びます。

 

お米の吸水具合はその日の天候や気温によって変わり、水に漬ける時間を秒単位で調整します。これは非常にシビアなタイミングらしく、三好さんは刻一刻と変わるお米の様子を真剣に見つめながら時間を決められていました。

 

水から上げる時間について指示を出す三好さん。

 

漬ける時間はそれぞれの水槽ごとに、タイマーで細かく計られます。

 

水から上げたお米は一度脱水し、重さを量ることで給水量を確認します。

 

一定の給水量であることを確認した後、一か所に集め、一晩寝かせます。

 

次の日にこのお米を蒸し、記事の前半で紹介した作業を再び行ないます。

▲タンクに櫂を入れて、もろみの状態を確認する三好さん

 

仕込みが終わったタンクでもろみを約1ヵ月間ほど発酵させ、絞り→ろ過してお酒を抽出。それから、火入れと瓶詰めを行ない、お酒が完成します。今回の「むかつく」は3月下旬に仕込みを行なったので4月の終わりごろには発酵が完了するとのことでした。

 

今年の「むかつく」の味は?

最後に、今年の「むかつく」について、津田さんからコメントをいただきました。

津田さん「今年の『むかつく』は、より甘さが強くなって、さらにフルーティーな味わいが楽しめると思います。去年に引き続き2000本の限定生産ですが、皆さんにぜひ飲んでいただけたら嬉しいです。」

 

今年で3年目となる「純米大吟醸 むかつく」。その出来栄えはどのようになるのか、今から楽しみですね! 発売は「むかつくの日」、6月29日(土)を予定しています。