■「肉飯」のルーツとデザートのひみつ
―さて、桃屋さんの人気メニュー「肉飯(にくめし)」についてお伺いします。肉飯が生まれたきっかけは何かあるんでしょうか?

きっかけというかね、ルーツがあるんですよ。僕は神戸にいたことがあったんだけど、神戸のお店に肉飯というものがあって。

▲こちらが桃屋さんの肉飯。ごはんの上に肉と白菜が入ったあんかけがたっぷりと乗っているのが特徴だ
―桃屋さんのスタイルの肉飯が神戸にも?

ウチのとはまた違うんです。神戸の肉飯はライスの上に餡がチョロっと乗っていて、それを崩しながら食べるんですよ。
―餡が全体にかかってるわけではないんですね。

そう。ちょうどカレーみたいにご飯と混ぜながら食べる感じで。それを僕は丼にしたんですが、まあこれが難しいんです。
―というと?

まず丼にすること自体が難しくて。元の神戸スタイルは餡が塩辛く作ってあったから、ご飯全体にかかっていてもしょっぱくないように味を調整するのが大変でした。
―なるほど。

(神戸スタイルのように)辛く作るほうが楽なんですけどね、それをあえて丼にするっちゅうのが難しかったんですよ。ウチは今、料理の後に全員にデザートを出してるでしょう?
―はい、ゼリーとアイスが付きますよね。

▲デザートに出されるゼリー&アイス

あれはね、元々肉飯と天津飯を注文したお客さんだけに出してたんですよ。
―えっそうなんですか?

今みたいに全ての料理へのサービス品ではないんですよ。肉飯と天津飯を食べたら後口が塩辛くなるでしょう。そうして喉が渇くので、お口直しをしてもらうために出していたんです。
―そうだったんですね。

でも、肉飯と天津飯以外のお客様、特にお子さんからの要望もあってね。「じゃあいいや、みんなに出してあげよう」っていう感じで配ってる(笑)
―あのゼリーは自家製ですよね?

はい。昔は杏仁豆腐やマンゴーゼリーなんかもありましたが、だんだん原価が上がってきちゃって(笑) 今はこのゼリーのみになってますね。
■桃屋さんインタビュー後編はこちら!
Information
「桃屋食堂」
・住所:山口県長門市仙崎新町1410-1
・営業時間:(昼)11:30~14:00/(夜)17:30~20:00
・定休日:火曜日